思いのほか多くの反響が
前の記事にあって、大変驚いております。のんびりした過疎の村に、何年かに一度のささやかなお祭りがやってきた感じでしょうか。お詫びを書いておいてなんですが、楽しい経験でした。
前の記事
http://d.hatena.ne.jp/onkimo/20100217/1266397648
ブクマコメントを読み、ニセ科学批判について、認識を新たにしました。その奥行きと広がりをこれまで十分には理解できていませんでした。みなさま、ありがとうございました。
一方でニセ科学も奥が深いですね。マクロビがかなり危険な香りを振りまいていたことを十分には把握していませんでした。実に香ばしい。まだまだ他にも香ばしいニセ科学がありそう。温暖化懐疑論も香ばしいと思っていましたが、だいぶ劣ります。がんばれ!温暖化懐疑論者!
一つ思ったことを書きます。
マクロビの批判について、わたしなりにウェブで調べてはいました。水伝よりマクロビは目立たないんだな、ニセ科学批判の人はあんまり力を入れていないんだな、という印象を受けていました。
ところが、ブクマコメントなどを読んでそうではないことがわかりました。マクロビ批判が目立たないということに同意を頂いたりもしましたが、力を入れていないという認識は誤っていること、活発に批判している人がいることなど、私が気付いていないことがたくさん出てきました。
言い訳になりますが、これは私がニセ科学批判のコミュニティに属していないせいだと思います。コミュニティの中にいないとどうしてもわからないことがあるのだと思います。今回ブクマコメントなどで教えてもらったのは、ウェブなどの文章を読んだだけでは、私にはとうてい到達できないことでした。そんな知識に触れられて、今回はうれしく思いました。
温暖化懐疑論についても同様のことを感じます (温暖化ブログなので、無理矢理温暖化に結びつけます)。
温暖化懐疑論者の中には、大変よく温暖化関係の文献を読み込んでいる方が少数ながらもいらっしゃいます。finalvent さんもその一人です。専門外の文献を読み込んでいくその能力に、私は感服せざるをえません。
ただし、文献を読むだけでは絶対に到達し得ない知識というのがあると、私は考えています。私の考えでは、最先端の科学の現場には、雰囲気やニュアンスや、そのほか得体の知れないものがあって、重要な情報がたくさん含まれている。この論文は重要だけどこっちはちょっとね、とか、あのデータ、中緯度までは信頼できるけど極域はかなり危ないよ、とか、そんなこと。
すべての情報が文献として公開されるのが理想ですが、そんなことは不可能です。なにより、文献として公開されていても、その重要度みたいなメタなデータをそこから読み取るのは至難の業です。だから学会があって、シンポジウムとかワークショップがあって、何より大事な懇親会があって、海外の大学に留学して、と、顔を合わせたコミュニケーションが必要になる。
コミュニティに属していない温暖化懐疑論者の方には、そのあたりの文献になっていない、得体の知れない知識が欠けているわけです。だから、「確かにそう書かれているけど、でも、言いたいのはそうじゃなくて」とか専門家が思うようなことがたくさん起こるわけです。
私のブログ、「温暖化の気持ち」では、そんな得体の知れない知識が書ければいいな、と思っています。成功しているとは思いませんし、そんな志、書いているとすぐに忘れてしまうのですが。
ところで、finalvent さんの元記事に追記がなされていました。
朝日社説 米飯給食―「食の教育」のためにも : asahi.com(朝日新聞社)
http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20100215/1266193668
この追記がまたなんというか香ばしい。finalvent さん、私の香ばし中枢を的確に刺激することを狙って書かれたのではないかと疑ってしまいます。はい、私、自意識過剰です。
finalvent さんが、科学的手法の価値もできない市民運動 = ニセ科学批判、と言いたいのかな、とか、高橋さん = 辰野さん、市民運動 = NATROM さん、と言いたいのかな、と、勝手な妄想が私の中でどんどんふくらんで、もうなんだかたまりません!
この引用をした理由が書いてあれば妄想はふくらまないかもしれませんが、香ばしさ的には台無しだったかも。まあ、仮定の話なのでよくわかりませんが。