finalvent さんが COP15 関係の

報道をこちらにまとめていらっしゃいます。


2009-12-20 -- finalvent の日記
http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20091220


結局、COP15は当初の予想どおりというか、最低ラインの予想通りだった。鳩山さんが、潘基文さんに単独で25%やってよというのを「だが断る」としたのはまあ、よかったかな。国内向けにはブーメラン四方八方に投げても庶民は政治に関心なしだけど、対外的にはそうはいかないし。
 それでもKYOTOの扱いをどうするかなど難しい問題。
 まあ、地球を守るためにみなさんがんばってくださいな。


確かに COP15 は最低ラインの予想通り、ですね。KYOTO は残るのでしょう。先日どこかの記事で、新議定書が成立せず、先進国のみに義務を課した KYOTO だけ残る、という最悪の事態は避けられたと報道されていましたが、本当のところどうだったのか?


まだまだ国と国との戦いが続いていくことでしょう。


私個人として思うことはいろいろとあるのですが、地球温暖化懐疑論に関する blog を書いている onkimo として思うことは一つ。


現状の温暖化懐疑論は、国際交渉にあたっては無力だということです。最初はクライメイトゲート事件の報道があったものの、次第に地球が温暖化するという前提に対する疑義は見られなくなってきました。


国家間の交渉で指導力を発揮して行くには、国際社会をこのように変えていきたい、という明確なヴィジョンと哲学が必要でしょう。裏にどんな陰謀、利権が隠されているにせよ。


世界を説得できる一貫した論理体系が必要であり、そして、その論理の一つ一つが交渉の際の武器になるわけです。温暖化の科学もその一つ。


武器として用いる際には、できるだけ進んだ科学を用いた方が有利。ただ、最先端といっても、少数の学者しか支持していない科学では将来覆される不安がある。一方で、多数の学者が支持しているなら、覆される心配は少なく、たとえ覆されたとしても、あの時点では仕方なかったとあきらめることができる。


世界中の気候の専門家を集めて数々の理論や観測事実に対する支持、不支持をシステマティックに与えるのが IPCC です。IPCC の言うことは、いまのところ人類の最善の知識であって、交渉に使っても大丈夫だというお墨付きを与えられているということ。


IPCC にはもう一つ、気候学、そして、地球温暖化の学問的体系をまとめ、気候システムの包括的な描像を提示するという機能もあります。多数の理論、観測を取り上げ、そのうえで地球の現状を示し、理解が不足しているところは明示しつつ、うちにはらむ矛盾を最小限におさえる。その上で、将来を予測する。


多数の専門家の支持された包括的な気候システムの描像。温暖化懐疑論に欠けているのはこのあたりです。もしかしたら正しい懐疑論もあるかも知れない。しかし、それを国際交渉の舞台で使うことはためらわれる。また、IPCC の信用を失墜させようという試みもあるけれども、それにかわる温暖化の科学の体系を提示できない。


懐疑論者に求められること。それは、自分の理論を IPCC の舞台で認めさせると言うことです。気候学のなかで自分の理論を明確に位置づけ、現在の理論の合っているところと間違っているところをクリアにし、どの程度現在の描像が影響を受けるのかということを示し、そのうえで気候学者達の支持を集める必要があるのです。そうでないと、科学的にはともかく、国際交渉に影響を与えることはむずかしい。


懐疑論を唱えるみなさん、是非、IPCC に認められるようにがんばってください。そうでないと、世界は間違った方向に進んでいくことになりますよ。


え?IPCC みたいな政治的意図を持った奴らに関わるつもりはない?


それなら IPCC を凌駕する気候システムの包括的な描像を提示する必要があります。大変な作業ですよ。


懐疑論者の皆さん、"まあ、地球を守るためにみなさんがんばってくださいな。"


なお、これに関連して


地球温暖化懐疑論者よ、団結せよ! -- 温暖化の気持ち
http://onkimo.blog95.fc2.com/blog-entry-21.html