ニセ科学批判は市民運動だと

finalvent さんが書かれています。


そのまえにお詫びを。ニセ科学およびニセ科学批判について、認識不足のままこの日記を書いてしまいました。文末の追記をご覧ください。


朝日社説 米飯給食―「食の教育」のためにも : asahi.com朝日新聞社
http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20100215/1266193668


朝日新聞の社説を引用し、そして、

 でも、この朝日新聞の社説などは、しかし、偽科学批判の対象にならないんだろう。偽科学批判は市民運動だし、市民運動は基本的に左派なので朝日批判はしづらいのだろう。


えええっっ、って思いました。別に私はニセ科学批判の人ではないのですが。


ニセ科学批判 = 市民運動 = 左派 = 朝日批判はしづらい???わからん。市民運動ってなんなのかな〜?


wikipedia:市民運動


市民運動 = 左派はおおむね正しいのか?でも、そうするとなんでニセ科学批判を左派としているのかわからない。finalvent さん、どこかで理由を説明してるのかな?


もちろん、ニセ科学批判の人たちを指さして「あいつら左だアカだ」と dis りたいだけなら、それはそれで良いのですが。私はニセ科学批判をしている人間でもないので。


朝日の社説が批判されないことを指摘されていますが、朝日の社説ってそんなに読む人多いか?まあ、朝日が「身土不二」キャンペーンでも始めれば批判も始まるでしょう。


それとも、マクロビオティクスについて批判しないのはなぜか、という問題意識なのかな?でも、批判はありますよね。たとえば、


身土不二」を題材にしたTOSSの食育教材がダメダメな件について -- 幻影随想
http://blackshadow.seesaa.net/article/111856636.html


ただし、マクロビに対する批判は、たとえば水からの伝言 (水伝) に対する批判にくらべて目につきにくい気がします。数あるニセ科学に対して、ニセ科学批判の側に何らかの優先順位がありそうです。明示的な優先順位みたいなものがあるとは思いませんが、暗黙の優先順位が感じられます。たとえば マクロビ < 水伝 とか。そして、その優先順位が私には納得できるのです。


なぜ納得できるのか。それは、私が感じる「香ばしさ」と一致しているからです。


たとえば、「水伝」は非常に香ばしい。もう、なんか、脳の中のある場所を的確に刺激する香りがぷんぷん立ち上っています。マクロビも一部はたいへん香ばしいのですが、全活動を平均すると、香ばしさはだいぶ劣りそうです。私が知る限り、という留保がつきますが。


この「香ばしさ」、自然科学の訓練を受けてきた人にはある程度共通するんじゃないかな。全然根拠はないけど。私には「香ばしさ」としか表現できませんが、もしかしたらすでにきちんと言語化されているかもしれませんね。


ところで、finalvent さんの科学に対する向き合い方にも香ばしさを感じるんですよね。もちろん水伝ほどではありません。そして、finalvent さんはニセ科学の人だとも思いません。ただ、題材の選び方、論拠の求め方、反論のスタイルなどから、かぐわしいにおいが立ち上ってくる。最高に香ばしいと思ったのは、脚気論争の時でした、ってリアルタイムで論争を見てはいないんですけどね (なお、温暖化関係の記事も香ばしくはありますが、その香気は脚気論争の場合に比べるとかなり劣ります。)。


脚気論争について、finalvent さんの記事は

江戸時代から明治時代の脚気の原因はカビ毒によるものだったか - finalventの日記
http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20081117/1226930161

Eijkman shared the 1929 Nobel Prize...
http://d.hatena.ne.jp/finalvent/20081216/1229421972


でも、長いし議論を追っていくのは大変。他のブログにも飛び火しているし。全体を俯瞰するのに良いのは、neko73 さんのこちらの記事の後半

自転車置き場と専門家・ベリベリ
http://d.hatena.ne.jp/neko73/20081209/p1


あれほどの文章を書かれる人です。私も finalvent さんのブログは好きだから読んでいますし、政治や経済、そしてなにより食について書かれた文章はとても魅力的です。そして、かなりの科学知識、科学哲学の知識を有しておられる。そのような能力のある人ですから、科学に関しては、たぶん、自覚的に香ばしさを演出されているのだと思います。


脚気論争の時も、炎上を演出されていたのではないでしょうか。香ばしさがなければ、あんなお祭りにはならなかったと思います。変なことを言う人がいるなぁ、ぐらいで終わっていたと思う。なお、温暖化に関しても香ばしいですが、そこまでではない。


さて、温暖化懐疑論の方々にも、非常に香ばしい方々がいらっしゃいます。一方であんまり香ばしくない人も。


私は温暖化懐疑論ニセ科学だとは思っていません。多くは単なる間違い、あとはいくつかの未解決の問題だと思っています。正直、ニセ科学の定義をよく知らないのである種の懐疑論はそのように分類すべきなのかもしれませんが、私としては間違いを「間違っているよ」と指摘するスタンスで書いていきたいと思います。


ただ、ニセ科学ではないけど、香ばしい。香ばしいことを論じるのは、私にとっては楽しみです。


ええ、そうです。onkimo の活動は純粋に楽しみでやっています。懐疑論を論じて世間に広がる誤解を取り除こうなんていう高邁な目標はありません。すみません。香ばしさを楽しむことは、onkimo の活動における大きな楽しみの一つです。


<追記>


本文中に、マクロビオティックへのニセ科学批判が目立たないとの趣旨の表現がありますが、実際には活発に批判活動が行われています。私の認識不足でした。


鶏和え酢、ブクマで id:T-3don さんに紹介していただいた id:dramao さんのページへのリンクをここに張らせていただきます。お二方をはじめ、ブクマコメントをいただいた皆さんに感謝いたします。

http://blogs.dion.ne.jp/doramao/archives/8608468.html


どうぞ、この私の記事へのブクマをご覧ください。

http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/onkimo/20100217/1266397648


ニセ科学批判の広がりをよく理解していませんでした。ここに謹んでお詫びします。ブクマもついているので本文はそのまま残しますが、新しく読まれる方はどうぞこの追記に書いたことを念頭に置いてお読みください。


あと、マクロビオティックの香ばしさについても認識不足でした。ニセ科学って奥が深いですね。