最近忙しくてブログを書けないのが

残念です。まあ、だれに迷惑書けるわけでもないのでいいか。逆に書いた方が迷惑だという人もいそうだな。


ところで。最近、科学技術社会論 (STS) という単語について目にする機会が多くなりました。主に、ニセ科学批判に対する批判と、それに対する反発、という形でです。


原発問題に絡めて、「御用学者」「エア御用」などというレッテル貼りが横行し、ニセ科学批判を行っている人たちのアクティブな人たちの一部がこれに巻き込まれてしまいました。まあ、これだけならウェブ上で良くある騒々しい出来事でしかありません。ですが、STS の研究者の一部がこのレッテル貼りを支持するかのごとき発言をして、多くの人が驚き、反発した、というのが話の流れです。


STS の研究者に対する反発の典型例が、こちらの togetter にまとめられています。


STS批判とその周辺 -- togetter
http://togetter.com/li/208434


なんか、ややこしいことになりましたねぇ。


こんなブログを書いている私、ニセ科学批判の活動にはシンパシーを抱いています。一方で、学としての STS に期待大なのは言うまでもありません。


その私が togetter 記事に抱いた感想。それは、少数例だけから STS を使えないものとしてしまうのは、ちょっとどうかな、ということです。春日匠さんとあららさん、あと平川さんもかな、そんな少ないサンプルから STS 全体を否定するのはやめた方がいいのではないか、と。


いえ、批判については、心情的には同意します。たとえば、「エア御用」というレッテル貼りを支持するような発言をされた STS の研究者がいたのですが、その人が今後科学コミュニケーションについて何か言っているのを見ても、私は頭から受け付けないでしょう。


でも、STS だってもっといろんな研究者がいるはずです。


こちらの記事で取り上げた、「科学技術社会論研究」という雑誌の地球温暖化問題特集号では、おもしろい研究を見ることが出来ました。

地球温暖化問題の特集が
http://d.hatena.ne.jp/onkimo/20111007/1317992775


STS にも、地道に研究を進めている人たちもいる。ウェブで見かける少数例だけから敷衍して、STS を批判するのはまずいのではないでしょうか。


今回の、原発問題に端を発した、ニセ科学批判クラスタと一部の STS の人たちの対立ですが、この件に限っては、私には、STS の人たちに分がない、理がないように思えます。


とはいえ、私は STS 自体には期待しています。


是非、STS の方々には、今回の原発問題にまつわる様々なこと、特に、「御用」「エア御用」について論じてほしい。STS のこれまでの蓄積を元に、くっきりと問題点を明確化し、切れ味良くその原因に切り込んで、即効性のある処方箋を提示した、そんなすてきな論文に出会えれば、私は納得します。


私だけではなく、だれもが納得するのではないでしょうか。


そして、それこそが STS にできる、そして STS にしか出来ない、社会への貢献だと思うのです。