SPEEDI 考 (4): とても高価な SPEEDI

SPEEDI に百億円を超える資金が投じられたと聞いて、びっくりしました。昨年度だけでも 7 億でしたか。


最初に SPEEDI を見たとき、開発費は数億か、まあ高くても 20 数億ぐらいかな、と思っていたからです。どうしてか、というと、開発期間が数年だと見積もったこと、モデルはあるので、研究者を二人ぐらいとベンダーからの出向を一人ぐらい配置すれば、それなりに優秀ならあのくらいの結果が出せる *1 から、年あたり人件費研究費旅費事務費その他その他あわせても一億はかからないだろうということ、あとはデータとか買ったり結果の表示方法を外注したり広報を外注したりしたらそれなりに費用がかかるけど、年間二億とかにはならんだろ、だから、数年で数億、あとはスパコンをがんばって導入していたらそれなりに費用がかかるから、そんなこんなで、まあでもかなりゆるゆるに高く見積もっても 20 億はそんなに超えないだろう、と思っていたわけです。


百億円を超えるというのはすごい。私の予想は思いっきり外れてしまいました。まあ、開発期間が長かったからというのもあるでしょうが、それでもすごい。一年あたりでも、七億ものお金が投入される、というのは、やっぱり原子力業界、豪気だな、と思いました。


豪気だとは思いましたが、開発費として高すぎるのかどうか、私にはわかりません。もしかしたら、高価でメンテが大変な放射線の測器とかも含まれているかもしれないのでね。


ただ、100 億使ったならそれなりのことをしてほしいなとは思います。


前の記事ではどのように活用された (?) かを書きましたが、あれで 100 億使いましたというのはちょっとなあ、と思います。もちろん、私の想像もつかないような用途があるのかもしれません。俺たちはこうやってきちんとお金を使ってきたんだ、ということを堂々と語ってほしい *2 ものですが、いかにもアピール不足。


100 億円もあればいろんなことができます。私の業界に近いところで言えば、たとえば気象衛星「ひまわり」の打ち上げにかかるのが 140 億 *3。このひまわり、なかなか予算が付かずに気象庁は苦労しました。


もちろん、打ち上げにかかる費用と 20 年間 ? ぐらいかかった SPEEDI の費用を比較するのもよろしくないかもしれませんが、言いたいことは、気象関係が中心に据えられたものとしては、かなり大きなプロジェクトだということ。


高い安いはともかく、これだけのお金を使ったらそれなりの責任が発生するでしょ、説明責任を果たしたら、と言いたいのですが、まあ、そうするのが難しい事情があるのかと、ちょっとした邪推をしています。一つは、気象業界の感覚としてはともかく、原子力業界としてははした金なのかな、ということ。もう一つについては、次の記事で。

*1:優秀でなければどれだけ費用をかけても無理

*2:まあ、こんな状況堂々と語るなんて不可能かもしれませんが

*3:運用とかを入れると 400 億ぐらいだそうです