こんな時に SPEEDI は役に立てると

おもうんですよね。


20〜30キロは避難指示も 枝野氏、一時帰宅実現へ -- 47NEWS
http://www.47news.jp/CN/201104/CN2011040701000424.html


枝野さんが原発周囲の避難についてコメントしてます。避難指示の拡大の方はともかく、


一時帰宅の最終結論に関し「できるだけ早く見通しを出したいが、原発の状況を見ながら決めることになる。原発は数値的に安定しているが、予断を持てる状況ではない」と指摘した。


この一時帰宅について、SPEEDI は役に立てそうです。


一時帰宅の際に問題なのは、帰宅している最中に多量の放射性物質が放出されること。原発は予断をもてる状況にないのですから。


でも、SPEEDI があれば、その日どの方角に飛んでくるか、ある程度想定ができます。


ですから、その予想にあわせて、危険の少ない地区の住民に帰宅を許可することは可能でしょう。


不測の事態が起きたら、とりあえず家に入っていてもらって、放射性物質を避ける。自衛隊などが救出に向かう。放射性物質は飛んでくるでしょうが、比較的少ないので、救出は容易でしょう。


もちろん、予想が外れる可能性もあるわけです。その場合は救出が困難になるでしょう。それも考慮して、一度に帰宅を許可するのは効率的に救出できるような人数に制限する必要はあると思います。


え?外れるかもしれない予測なんていらない?SPEEDI は役に立たない?


それはその人の価値観によると思います。ただ、計画立案者の立場からすると有用でしょう。オペレーションを計画・立案する上で、放射性物質が飛んでくる確率の高い場所がわかれば、より安全で効率の良いものができそうです。そして、限りある資源、つまり人間や車両など、を有効に使うことができそうです。


そして、この際には一般向けにわかりやすい絵や説明などいりません。SPEEDI の担当者が、計画立案者の納得がいくまできちんと説明すればよいわけです。それは、マスメディアに対して説明するよりも、ずっと容易で、ずっと有意義なのです。


この先、原発はなんとかコントロールされると期待しています。ですから、たとえ計画立案に SPEEDI が使われたとしても、目に見えて役に立つことはないでしょう。


だけど、気象予報モデルにド派手な活躍など、そもそも無理な話なのです。それよりも、縁の下の力持ち的役割に徹するべきだと思います。


もちろん、マスコミや一般人からはなんの賞賛も受けないことでしょう。でも、本当に必要な人が有効に使ってくれたとしたら。それは、SPEEDI の担当者にとって、世間の賞賛よりもずっとうれしいことに違いありません。

SPEEDI についてのこれまでの記事


http://d.hatena.ne.jp/onkimo/20110325/1301048961
http://d.hatena.ne.jp/onkimo/20110329/1301369515