反省文

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不安に形が与えられれば、それが間違っていようがなんだろうが、それでいいんだよ。なんにせよ難しいものはいやなんだな。

hilihili の hilihili
http://hilihili.blogspot.com/2011/03/blog-post_26.html

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「確認してから言え」とかいうバカが多いが、読みたくなければ読むな。災害のときは、不確かな速報も必要なんだよ。放射能あびてから確認とってもしょうがないだろ。

池田信夫
http://twitter.com/ikedanob/status/46491222621163520

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しまったなぁ、と思っています。しっぱいしたなぁ、と思っています。一昨日書いた記事についてです。

SPEEDI という放射性物質
http://d.hatena.ne.jp/onkimo/20110325/1301048961


朝日の社説を読んでかっとなって書いてしまった記事でした。よく知らないテーマに言及したこともあり、当然のことながら記事できは悪く、アップ後もある程度手を入れたのですが、いろいろ問題ありな記事でした。


もし私がアルファブロガーなら炎上していたところですね。これまでどうでもよい記事を書いてきてよかったと思います。


というわけで、反省したいと思います。あ、でも、うまくいくかな?ま、いいや。長くて誰も読まないでしょうから。


コメントとブクマコメを参考に、Q and A 形式で反省していきます。


Q. あまり知性を感じさせない文章でしたね。


A. 面目ない…


Q. SPEEDI の発表した内部被曝等価線量の図からあなたは何も読み取ることができなかったのですか?


A. はい。とはいえ、ちょっと説明が必要ですが。


まず、あの図ですが、パターンに関しては、観測と良く一致しているようです。それは、DOE の航空機による観測の図との一致から明らかでしょう。ええ、良くあっていると思いますよ。


一方で、線量に関しては信頼できません。それは朝日の社説にもひかれていたように、班目委員長が言明しています。


ということで、私があの図から有意義な情報として得られたのは、放射線分布のパターンだけです。ところが、これは SPEEDI によらずとも、DOE の観測があれば十分なわけです。


結局、私自身は SPEEDI の結果から新しい情報をなんにも読み取っていない、ということになります。


Q. SPEEDI だと航空機の観測よりも詳細な分布がわかりますが?


A. それが正確であるという保証がありますか?あの図から、飯舘村の方に放射性物質が流れていった、という定性的な情報以上のことを読み取るのは危険だと思います。でも、それは航空機観測のデータがあれば十分です。


Q. SPEEDI の意義はパターンにあるのではなく、状況の深刻さを示したことにあるのです。


A. それは同意できません。肝心の流出量が当てにならないとシミュレーションを行った人が明言しているのですから。


Q. 原子力安全委員会は状況を良く見せようとしています。信頼できません。


A. でも、その同じ委員会がシミュレーションの図を見せてるのですよ?シミュレーションを行った人間が信頼できないでなぜシミュレーションの結果を信頼できるのですか?


Q. コンピュータは嘘をつきません。


A. それを動かしているのは人間です。


Q. シミュレーション結果を改ざんするのは難しいです。


A. それは yes でもあり、no でもあります。確かにあの等高線パターンを改ざんするのはかなりの手間でしょう。一方で、広がりを少なく見せるのは比較的簡単です。たとえば、x という量を描画する代わりに、x*x/x_max という量 (ここで、x_max は x の最大値) を描画することは簡単にできますが、これによって最大値を変えずに広がりを小さく見せることができます。


その気になれば何でもできます。ですから、人間は信用ならんがシミュレーション結果は信用できるという人を、私は理解できないのです。


Q. でも、あの結果が信用ならないとはいえないのでは?厳しめの予測をするのは当然のことではないですか?


A. 厳しさによりけりです。もし、厳しい値に十分な根拠があるのならば、委員会側はそう言うはずです。今回は自ら否定していたので、そうではないと判断しました。


Q. そうはいっても、本当は委員会側はこの程度の汚染はあると踏んでいるのではないですか?


A. どうでしょうね、それはわかりません。


ただ、何度も言いますが、これは所詮シミュレーションです。実際の行動は観測に基づくべきですし、委員会側は観測値を持っているはずです。それに照らして「厳しめの値」と言っているのだと私は判断しています。


現在に至るまで、20~30 km 圏の住民は屋内待避で避難対象ではなく、それより外側の住民には、飯舘村も含めて避難等の指示は出されていません。それが委員会の見解であり、班目氏の発言はそれと整合します。


Q. 飯舘村に指示を出さないのは委員会側の隠蔽工作では?


A. それを否定する言葉は持ち合わせていません。陰謀論は否定しようがありませんから。


ただ、陰謀を暴く場合は、観測データに着目すべきです。委員会側にデータを要求すべきだし、外部の機関のデータを参考にするのもよいでしょう。なぜシミュレーション結果にこだわるのですか?


Q. シミュレーションの公表は今まで隠蔽していた最悪の結果を公表するための地ならしでは?


A. …。もう勝手にしてください。


Q. なぜ委員会はシミュレーション結果を広報したとおもいますか?


A. ここからは憶測です。


私は委員会は発表したくなかったのだと思います。もし発表したいなら、もっと見てくれのよい、たぶんカラーの絵と、*1 誤差の推定が入った詳細な資料を用意したと思います。


安全委員会の人々がまともな工学系の人であったなら、あんな資料、出したくなかったでしょう。やっつけ仕事を出さねばならない理由があったのだと思います。河野太郎氏の要求を考えると、周りからの圧力があったのではないかと思いますね。


Q. 安全委員会の人がまともではないのでは?


A. それは私には否定することはできません。ただ、SPEEDI に関して言うと、それに関わっている人はまともなのではないでしょうか。


気象モデルを動かすのは、なかなか一筋縄ではいきません。アメリカ製のソフトウェアを使っているからと言って、エクセルとかみたいに立ち上げてすぐ使えるわけではないのです。試行錯誤と気象の知識が要求されます。観測とあれだけ合致する結果を得られるというのは、まともな人にしかできないことです。


私には、あのプレスリリースのいい加減さとモデル結果のできの良さが結びつかないのです。


Q. でも、あなたの言っていることは憶測ですよね。朝日を批判していましたが、マスコミに対して厳しすぎるのでは?なにか不満が?


A. たしかに不満はあります。


マスコミは情報を要求しすぎるように思います。要求するのはいいのですが、もっと精選してほしい。安全委員会から放射能のデータを要求するなら、観測データにすべきでしょう。シミュレーションの結果なんて、どうせ正しく扱えないのだから意味はないと思います。


Q. でも、朝日がシミュレーションデータを要求した証拠はないですよね。


A. そうでした。すみません。


Q. そもそも安全委員会、そして政府、東電も情報を出さなすぎです。


A. それはそうかもしれません。


Q. 隠蔽しているに決まっています。ちゃんとマスコミが要求しないといけないと思います


A. 私の意見ですが、隠蔽しているというよりは、情報をつかんでないように見えるのです。センサーが壊れているし、初めての事態でどんな情報をつかんでよいかわかっていないみたいだし。指揮系統が統一されていなくて、記者会見も東電と政府、政府についても保安院と官邸が別々に行っている。役割分担も見えない。だから、たぶん、情報がうまく流れていない。


もしきちんとした情報を出す能力がないことを無能というのなら、無能なのだと思います。とはいえ、ではこの事態において"有能"な日本の組織があるのかというと疑問ですが。


Q. 情報が出てこないのは、無能であるだけではなく、なにか裏があると思いますよ。


A. そうでしょうか?私は大して情報がないのに無理矢理発表しているところに問題があるのだと思います。発表しているのは基本的にいい人たちだとおもいますよ。どちらかというと、いい人過ぎるのが問題ではないかと。


Q. いい人過ぎ?なぜそんな風に思うのですか?


A. 3/27 日に、2 号機の建屋にたまった水から通常の原子炉で発見される濃度の 1000 万倍の放射性物質が見つかり、半減期 55 分のヨウ素 134 が見つかった、という、ちょっと衝撃的な発表がありました。次の日の朝、1000 万倍は間違いだったこと、ヨウ素 134 ではなくほかの物質だったことが明らかにされました。


これに対してマスコミは当然ながら非難を浴びせます。官邸も東電を叱責しました。


とはいえ、構造的にそのような誤報が出てくる状況にはあるなと思います。というのも、そのことの顛末を報じた記事に、次のような記述があります。

東電、「1000万倍」→「10万倍」 放射性物質測定で混乱 -- 日経新聞
http://www.nikkei.com/news/headline/archive/article/g=96958A9C93819691E0E5E2E2938DE0E5E2E1E0E2E3E39C9CEAE2E2E2

また東京電力福島事務所は27日午後、定例の記者発表の1日あたりの回数を従来の4回から2回に減らしたいとの考えを示した。これに対し、記者側から反発があったため、「本店と掛け合い、従来通り4回開く」と申し入れを撤回した。


Q. これがいい人とどのような関係があるのですか?


A. 事故発生からすでに二週間近くが経過しています。1 日 4 回、平均 6 時間ごとの記者会見すべてになにか新しいニュースがあろうはずがありません。


とはいえ、記者会見は開かれる。発表側はいい人なので、記者の皆様に無駄足踏ませるのは忍びない。そうでなくても何もなければ罵声が飛ぶと思いますからね。発表者をののしるのに今は遠慮がいらない。


ですから、発表側はお土産を用意する。それに、データがあるのに発表しなければ、あとがややこしいですからね。だから、まだ完璧でないデータを発表してしまう。そして、訂正、訂正で混乱を与える。


そういえば、こんな記事もありました。

放射能1千万倍」は誤り 東電、違う物質と取り違え -- asahi.com
http://www.asahi.com/special/10005/TKY201103270213.html

 東電の広報担当者は、「測定結果が不確実な可能性があっても、公表しなければ、後から『隠していた』と批判を浴びる」と悩む。経済産業省原子力安全・保安院も、同じ理由で公表を優先したとしている。

悩んでしまっています。


本当はふてぶてしいくらいのちょい悪な人がいればいいのだと思いますけどね。「記者会見、始めます。何もなし、終了。」みたいなことがいえる人。ごうごうの記者からの非難を眉一つ動かさずに受け流せる人。不正確なデータは発表せずに、その件を指摘されたら「できんもんはできん」といえる人。重要な事項についてはきちんと理解してわかりやすく説明できる人であればなお良いです。


でも、そんな人はいなさそうです。


Q. なんだか、いい人だから許されるみたいな言い方ですね。そこまで同情する必要がありますか?


A. そうではありません。間違ったデータを発表したら批判されて当然です。


ただ、さっき述べた意味において、発表側は"無能"なのです。だから、とうぜん誤報があるとマスコミには考えてほしい。叩いたって状況はあまり変わらないことに気づいてほしい。そこで、できるだけ誤報が少なくなるような、すくなくとも、国民には正確な情報が伝わって間違った情報が伝わらないような、そんなシステムを考えてほしい。


6 時間ごとに発表する必要があるでしょうか?自分たちの都合ではないのですか?長いニュースの時間を埋めるための映像がほしいだけではないのですか?そんなに頻繁に新しい事態が発生するはずがないだろ!


右から聞いた情報を左に伝えるだけのマスコミなんて必要ない!だいたい最近のマスコミは…


Q. …。まあまあ、あなたがマスコミ嫌いなことはわかりましたから、落ち着いて。そもそも、マスコミの存在意義は情報を伝えることだけではないと思います。社会の木鐸として、権力を批判する必要があるのでは?


A. …。すみません、興奮しすぎました。


おっしゃるとおり、社会の木鐸としての意義はあるとおもいます。そのほかに、こんな国難の時には、国民の感情に寄り添って、東電や政府機関をたたきのめす必要があるのかもしれません。


でも、きちんと正しい情報を流すことを忘れないで頂きたい。間違った情報はできることなら流さないで頂きたい。


そして、それが一番難しいことなのです。社会の木鐸であることは、そりゃ平時は難しいかもしれませんが、いまは簡単です。原発に関しては政府を批判していれば木鐸を自任できますから。国民感情に寄り添うことも、平時はみんないろんなことを言うから難しいですが、今は原発について不安を抱いているのは確かですから簡単です。


一方で、平時でも正しい情報を流すのは難しいでしょうが、これまで直面したことのない非常時においてはなおさら難しいはずです。批判するのもいいですが、一方で正しい情報を得られるようなシステムを考えて頂きたい。国民に知らせるに当たって、当事者意識を持ってもらいたいのです。


Q. 何を大上段にマスコミ論なんかを語っているのですか?これは SPEEDI の記事への反省ではなかったですか?


A. …。すみません。その通りでした。


とはいえ、SPEEDI の件も同根だと思うのですよ。あれもマスコミが要求しなかったら発表されずにすんだものと思います。


Q. それって憶測ですよね。


A. …。はい、そうです。すみません。


Q. すみませんはもう聞き飽きました。SPEEDI に戻りますが、あなたはあのプレス発表すべきではなかったと思っているのですよね。


A. はい。


Q. でも、あれで飯舘村の人は危機意識を持つことができたわけです。あの高い被曝量の値は重要でした。


A. え?でも、不正確な情報ですよ?


Q. あなたがが質問するのは反則です。とにかく、飯舘村の人には有用です。


A. 意味がわかりません。


Q. つまり、放射能を浴びてからでは遅いんですよ。飯舘村には屋内待避指示さえ出ていないんですから。不正確な情報でも必要なのです。


A. …。あなた、池田信夫さん?


不正確な情報はまずいですよ。必要のないパニックを起こしかねません。今のところ、飯舘村は避難すべき状況にはないわけですから。


Q. でも、原発が爆発したらそうもいっていられませんよ。


A. それはその通りです。


ですが、それと不正確な情報とは関係ないことですよね?原発が爆発したことを想定して逃げることは決断次第でできるわけです。シミュレーション結果とは関係ありません。


Q. でも、飯舘村の人を避難させるには、なんらかのきっかけが必要ですよ。シミュレーション結果はそれにちょうどいいのでは?


A. どうしてそんなに避難させたいのですか?原発が爆発しそうな情報を持っているのなら、それを公表すべきです。正確な情報ならね。そうでないとパニックになりますよ!


それに、もしそうであるのなら、被害は飯舘村に限りません。あの図で放射性物質があまり飛んでこない地域の人も避難させる必要があるはずです。


いずれにせよ、シミュレーション結果に頼る必要はありません。素人がうかつなことをしないで下さい。


Q. 私は善意で言っているのですが


A. 善意だからといって不正確な情報を流していいわけではありません。善意だからと言って外国人が暴動を起こしたという情報を流していいですか?


デマはほとんどの場合善意からなりたっているのです。


人に的確な行動をとってもらいたい気持ちはわかりますが、デマに頼るべきではありません。飯舘村の件も同様です。


Q. 戻りますが、SPEEDI について安全委員会は発表すべきではなかったと考えているのですね。


A. まあ、そうですね。


Q. ということは、発表した安全委員会を非難するわけですね。


A. …。まあ、そういうことになりますか。


先に述べたようにわたしは周囲の圧力があったのだと推測しています。とはいえ、それでも発表するべきではなかったと思っています。


Q. それでも、委員会は詳細なデータを発表する義務があるのでは?


A. それはそうだと思います。ただ、シミュレーションデータの生データを公開することでその義務が果たされるとは思いません。


もっと受け取った側が理解しやすい、ハザードマップのような形で配布すべきです。


Q. 委員会が信用できないので、加工されたデータは信用できません。シミュレーション結果を公開すべきです。


A. でもね、さっきも言いましたがシミュレーション結果だって信用できるとは限らないんですよ。人よりもシミュレーション結果を信用するのはやめた方がいい。


Q. 委員会は責任をとりたくないだけでは?


A. いずれにせよ、シミュレーション結果はあくまでシミュレーション結果であって、それ以上でもそれ以下でもありません。発表しても、それ以上の責任をとりようがないのです。逆に、あの結果が存在しているにもかかわらず、委員会が責任とれる値に修正して出したら、それは改ざんになるわけですから。


その意味でもシミュレーション結果は中途半端です。もっと責任をとれる形にして発表すべきだと思います。


ところで、責任と権限とは裏表の関係にあります。権限がない人に責任だけおっかぶせても、なにもいいことありませんよ。


今回の件に関して主に権限があるのは政府で、その政府が 20 km 圏に避難指示、30 km 圏に屋内待避指示を出しているわけですが、私から見ると、まあ妥当でしょう。 *2 そして、委員会は、政府の判断に資するデータを提供するという責任があるわけです。SPEEDI が関わりそうな範囲においては、ちゃんと責任を果たしていると思います。


まあ、これまで原発が安全と言ってきたことには責任があるとおもいますがね。その責任は別にとってもらいましょう。シミュレーションに関しては別です。


Q. 委員会が発表したことにメリットはないのですか?


A. あるのかな?まあ、委員会が政治家などに痛くない腹を探られることはなくなりそうですね。


Q. それ以外には?


A. たとえば、私ですが、ブログネタにはなりました。たぶん、多くの人が雑学知識として身につけたでしょう。でも、たいしたメリットじゃない。


Q. 大変多くのブクマを集めている資料に、SPEEDI のデータが有効活用できると書いてありますよ?


放射能漏れに対する個人対策
http://www.irf.se/~yamau/jpn/1103-radiation.html
(2011/03/29 現在)


(11) SPEEDIシミュレーションは、これから先、真っ先に危険になるかも知れない地域を予測するのに役立つ
という事なります。例えば避難経路を考える時に、まず遠くに逃げるのでなく、西に逃げるのが良いという事をなります。


A. うーん、これは確かにあるかもしれませんねぇ。


一応反論しておくと、SPEEDI の結果はこれまでの実績が書いてあるだけで、今後の予想ではないのです。ですから、もし原子炉の大爆発が起きたとき、もしかしたら西に風が吹いているかもしれない。もちろん、著者の山内正敏さんは、この地域の気象に勘があって、この時期にはたいてい南東から北西に風が吹いていることを知っているのかもしれません。その手の付帯データがないと、なんとも言いようがないと思います。ですから、SPEEDI のデータを有効に活用してもらいたいなら、原子力安全委員会はさまざまなデータを公開すべきなのです。


一つ言っておきますが、山内さんが SPEEDI のデータから読み取ったのはパターンであって値ではないと言うことです。上にも述べたとおり値は信用ならないとしている。そして、パターンについては DOE の航空機の観測から得られるわけです。


ですから、SPEEDI よりも観測データを見るべきだと私は思います。いずれにせよ、私は SPEEDI の結果に自分の命を預けることはしませんね。


Q. ずいぶん苦しいいいわけですね。あのデータしかなかったら、あなたもとりあえず西に逃げるようにするでしょ?


A. う、それはそうかも。


Q. だいたい匿名ブロガーがスウェーデン国立スペース物理研究所の研究者に反論しようというのがおかしいのです。


A. わるかったわね!匿名ブロガーで!


Q. とにかく、SPEEDI の発表はメリットがあるのです。


A. でも、そんなに大きなメリットはないような気もします。委員会は、どうせ信頼されていないのだから、疑うやつには疑わせておけばいい。逃げる向きにしても道路の通り方などもっと別な制約がありそうだし。被災地から遠い私たちの暇つぶしにはなっても、本当に必要な人の役には立たない。パニックが起きたらこんなメリット吹き飛んでしまいますよね。


Q. だけど、パニックは起こってませんよ。


A. たしかに…。変な"有効活用"する人がいなくて良かったですね。日本人は十分なスルー力を持っていたみたいです。一部の、朝日新聞みたいなおっちょこちょいをのぞいて。


Q. あなたもおっちょこちょいですよね。


A. うるさいです。


Q. とにかく、人から喜ばれてパニックも起こらなかったのだから、SPEEDI は役に立ったのでは?


A. うーむ、そうなのかなぁ。パニックが起こらないことを見越して発表した?そうだとしたら、委員会、すごいとおもいます。いい加減な資料にしたのもパニックが起こらないようにということなのか…。


でも、そんな中途半端なことをするより、もっといい情報を発表してほしいです。


Q. 最後におまえの意見を聞いてやるから話したまえ。


A. なんですか、偉そうに…。ここまで読んでいる人なんていないですよ。


私はできるだけ間違った情報を流さないでほしいと思っています。


今回の件で言うと、SPEEDI の情報は正しいこと(放射性物質の広がりのパターン)と間違っていること(被曝量の値)が含まれているわけです。正しさと間違いの同居なんて、まるで武田邦彦さんみたいですよね。情報としてはクオリティが低いと言わざるを得ない。


世の中、だれもが不安です。その不安に形が与えられるのであれば、たとえ間違った情報でもかまわない、というのは人間普遍の心理かもしれません。災害のときは不確かな速報も必要という考えの方もいらっしゃるでしょう。


でも、私はそれには賛成できません。こんな時だからこそ、できるだけ確かな情報をえらぶべきです。


マスコミに対して、特にそう思います。情報を右から左へ流すのではなく、厳選して報道していただきたい。


そして、我々も、特に被災地の外に住んでいる人間は、情報を選り分ける余裕があるはずですから、不確かな情報はスルーする能力を身につけてる必要があると思います。


いえ、今回の震災への対応を見ていると、多くの日本人はそのスルー力を持っているみたいですけどね。


Q. なにきれいにまとめようとしているのですか。これは何のための文章ですか?


A. …。反省文です。


Q. 最後に謝っておいた方がいいのでは?


A. 先のブログ記事が誤解を招いたのなら、お詫び申し上げます。


Q. なんか、政治家の謝り方みたいですね。


A. ぐ…。

*1:すみません、絵はカラーでした。とほほほ。

*2:3/31 に IAEA飯舘村IAEA が定める避難の基準値を上回る放射性物質を検出。一様ではないため、懸念が地域全体に及ぶ物ではないと。政府は見極めが必要と言っています。うーむ、妥当と書いたけど、どうなんだろう。とにかく、シミュレーションデータではなく観測データの公表を。-> 3/31 同日、政府が会見で問題ないと述べる。累積線量が 50 mSv を超えると避難を考えるが、いまのところその半分で、さらに放射線量事態も下がり始めているとのこと。