おやおや、武田邦彦先生に怒られてしまいますよ、

harusantafe さん (=id:nytola さん)


harusantafe さんのつぶやきから興味深い懐疑論を発見することにかけては希代の目利き、SSFS さんが教えてくれました。


クライメイトゲート事件の最新事情(134) -- マイナスイオン監視室
http://messages.yahoo.co.jp/bbs?.mm=GN&action=m&board=1835549&tid=a1va5dea5a4a5ja59a5a4a5aaa5sa1w4fbbkbcbc&sid=1835549&mid=4022


★harusantafeさんのツイッターから


・北極の海氷面積は百万平方km少ないものの、南極の海氷面積が通常より2百万平方kmも多く、地球全体では海氷面積は通常より百万平方km多い。「地球が温暖化している、海面上昇」というのはどうやらジョークだったようで。
http://stevengoddard.wordpress.com/2010/12/15/nsidc-shows-global-sea-ice-extent-almost-1-million-km2-above-normal/


nytola さんは、海氷と海面上昇を結びつけておられる。一方、アルキメデスの原理から海氷が減少しても海面上昇なんておきないよ、というのが武田先生のお得意の論法。南極の海氷が増えようが減ろうが、海面の上がり下がりには関係ないんです。


この温暖化懐疑論者の常識 (もちろん、温暖化研究者の常識でもある) はあまり伝わっていない模様。残念です。まあ、アルキメデスの原理は非常に高度で専門的な概念なので、nytola さんや SSFS さんが知らなくても仕方ないですね。

武田邦彦さんに関しては、こちらの記事をご参照あれ

一周年記念特別企画・地球温暖化懐疑論者列伝 (5) 武田邦彦さん
http://onkimo.blog95.fc2.com/blog-entry-87.html


南極の氷が増えている、これは温暖化していない証拠だ!と懐疑論の方は気勢を上げます。これに対して、温暖化論側はいかにも歯切れが悪い。なぜ氷が増えるのか、完全に解明し切れていないからです。


南極の海氷の様子については、たとえばこちらのページ。

海氷域面積の長期変化傾向(全球)-- 気象庁
http://www.data.kishou.go.jp/shindan/a_1/series_global/series_global.html


この南極の海氷の増加に迫った論文が、しばらく前に発表されました。

Accelerated warming of the Southern Ocean and its impacts on the hydrological cycle and sea ice -- PNAS
http://www.pnas.org/content/107/34/14987.abstract

この論文の和文解説:
研究報告:南極海の海氷に関する矛盾を解明 -- 日刊温暖化新聞
http://daily-ondanka.com/news/2010/20100827_1.html


簡単に言うと、近年の気候変動によって海に降る雪や雨の量が増え、深いところの海水と混ざりにくくなった。だから、冬に海が冷やされたときに比較的暖かい深いところの水からの熱がやってこなくなって、そのせいで氷が増えたんだよ、ということ。


わかってもらえたでしょうか?え、わからない?まあ、仕方ないですね。


海の水が混ざる、混ざらない、というのは、実は大きなスケールでみた海の流れを引き起こすメカニズムだったりします。でも、一筋縄ではいかない。とってもわかりにくい。いつかきちんと書けたらいいな、と思っています。