kikulog を読んでよく勉強させていただいています。

最近はホメオパシーが話題なのですが、地球温暖化に関しても、コメント欄で活発?な議論が展開されています。こちら。


地球温暖化懐疑論批判」(2) -- kikulog
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1270268042


コメント欄で、つぶやさんとおっしゃる懐疑論者の方が暴れ回っておられます。拝見していると、最初は「人為 CO2」という言葉遣いのことから入ってきて、次第に CO2 の起源の話になり、温度上昇と CO2 の因果関係の懐疑論を唱えるようになっていきました。


kikulog の皆さんは非常に寛大で、かなり長い間つぶやさんの相手をなさっていらっしゃいます。いやぁ、私ならあっという間に IP ブロックですね。こちらにも、早秋さん/つぶさん、と名乗られた、つぶやさんと非常に似た性格*1 の方がいらっしゃいましたが、こちらが対応できないほどのコメントをかきちらしておられたので、ブロックしてしまいました。


つぶやさんのコメントを読むと、大変いらいらします。どうしてか、自分なりに考えてみました。


いらいらする理由、それは、たくさん質問するにもかかわらず、答えてくれた人に感謝の気持ちを抱いていないからです*2


これ、普通は最低限の礼儀をつくしていないということですよね。でも、つぶやさん自身は、礼儀を失しているとは考えていないでしょう。


つぶやさん、自分の主張を質問の形で表明されるんですよね *3。質問の形を取っているから、周囲は答えるのだけど、それがお気に召さない、つまり自分の主張と相容れないときはさらなる質問をしたり、話題を変更したりするわけです。


教える側は感謝の言葉がないわけで、親切が無にされてむかつくわけです。あ、いえ、kikulog の方々はどうかわかりませんが、私だったらむかつくな、と。


一方、質問していると言うよりは主張を述べているだけのつぶやさんは、主張を受け入れられたような答えをもらえていないので、感謝の気持ちなんて持てるわけがない。


永遠のすれ違いですね。


ま、でも、つぶやさんをはじめ、一般の懐疑論者がそんな礼儀を失した態度になってしまうのは仕方ないんですよ。


本来なら質問という形ではなく、自分の意見を証拠を沿えて主張するのが望ましいわけです。たぶん、懐疑論者の方もそれはわかっている(よね?)。


でも、科学者ではない一般の人たちがわかるような懐疑論って、当然証拠も何もないわけです *4。ですから、どうしても相手に質問を投げて相手に立証責任を負わせ、矛盾があるからわからないと言うなり、矛盾がない場合は、自分がわからないのはそちらの説明が悪い、と主張するなりの批判にならざるを得ないのです。


いわば、弱者の戦略。政権を担当したことのない万年野党の戦略みたいなもの。


だから、つぶやさんとお話しするのはフラストレーションがたまりまくることになるわけです*5。相手のために苦労して考えた説明を、"かゆい所に手が届かないようなお答えが続いているようで" とか、"このお答えは正直かなりの驚きです、根拠がこれしかないとは思いませんでしたので。"とか、こんな答えで返されることになってしまうわけです。

"かゆい所に手が届かないようなお答えが続いているようで"
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1270268042#CID1281830501
"このお答えは正直かなりの驚きです、根拠がこれしかないとは思いませんでしたので。"
http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1270268042#CID1282281341


さすがにきくちさんも、もうちょっと考えてからコメントをするように警告なさっています。それもどこ吹く風、いま読んだ最新のコメントでは、


http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1270268042#CID1284291731

>#849. disraff ― September 10, 2010 @06:31:52
>依然「二酸化炭素は区別できない」という意味もちゃんとはわかっていませんね。


>#855. うさぎ ― September 10, 2010 @22:04:35
>そもそもの発端の、一年ごとのCO2の吸ったりはいたり、と人為による積み重ねの放出の違いをちゃんと区別できていることがあらわなレスが無いもので。


お一人は「区別できないことが分かっていない」と言い、もうお一人は「区別できていない」と言われているようですが。
どういうことか一貫させてもらえましたら助かります。


なんて答えを平然となさっていました。


disraff さんのコメントとうさぎさんのコメント、実は矛盾していないのです。でも、その旨答えたら "説明になってませんね" みたいな回答が返ってくることでしょう。まるで、つぶやさんという神が賜る、シーシュポスの労働。


それにしても、おもしろいですね。私が学校で学んでいたときは、何がわからないことがあると、一生懸命勉強して理解しようとしたものでした。つぶやさんは、わからないことを誇らしく思っていらっしゃるような主張をなさいます。


いえ、一般の温暖化懐疑論者としては普通の態度だと思いますよ。<追記>
あらたな書き込みが

http://www.cp.cmc.osaka-u.ac.jp/~kikuchi/weblog/index.php?UID=1270268042#CID1284406882


端的には、気温上昇がCO2濃度増の環境的素地を与えている、と申し上げれば、ご理解の促しになるでしょうか(正しい・間違いはもちろん別として、どんな線を考えているかだけです)。


以前、槌田さんグループの掲示板をコピペしていたことから鑑みるに、つぶやさんの言うことを「ご理解」したら、温度が上がると海水から CO2 が放出され、これが今般話題になっている CO2 増加の原因である、という槌田理論にたどり着くのかもしれません。


やはり、自分の意見を持っていらっしゃるようです。それも、その意見の正しいことには絶大なる自信を持っていらっしゃる。


でも、根拠がないのもご承知。主張に十分な自信を持てないため、「ご理解を促」すことにとどめていらっしゃるのでしょう。


つぶやさんが求めているのは、議論ではなさそうです。ましてや温暖化についての科学的知識でもないでしょう。


自分が根拠無く *6 確信している「正解」が受け入れられないことについてのセラピー、もしくは、愚痴を聞いてくれる人を求めているのだと思います。

*1:そういえば、"つぶ" と "つぶや" もそっくりですね

*2:とはいえ、kikulog でつぶやさんを相手にしている人は「感謝しろ」なんて口に出しては言いにくいですよね。

*3:この手の主張方法、「発言小町」にてよく見られます www ええ、結構好きですよ、発言小町

*4:もしきちんとした証拠があったら、科学の土俵で議論されているでしょう。そんな懐疑論もないではないのですが、だいたいは学会の中で高度な議論が戦わされていて、一般の人には理解できない。

*5:もちろん、つぶやさんもフラストレーションをためておられると思いますよ。同情する気にはなれませんがwww

*6:いえ、本人には十分に感じられる根拠はあると思います。