finalvent さんによると、

BBC に重要な記事が出たようだ。


どうやらあと20年くらい、地球温暖化は進みそうにない -- 極東ブログ
http://finalvent.cocolog-nifty.com/fareastblog/2009/10/20-447e.html


率直に言うと、私としては科学的議論がどうたらということではない。そうではなく、日本で言えばNHKみたいな公共放送であるBBCが気候変動懐疑論者(Climate change sceptics)の話をそれなりに、おちょくりでもなく取り上げてきたのかと驚いたということだ。つまり、このあたりが一般向けの国際ジャーナリズム的な転機の潮時の合図なのかなと思ったのだった。


ちなみに、finalvent さんが取り上げている BBC の記事はこちら


What happened to global warming? -- BBC
http://news.bbc.co.uk/2/hi/science/nature/8299079.stm


内容は、基本的には Svensmark 説と PDO の話。よく見るタイプの懐疑論 (PDO は懐疑論とは言いにくいかな)。 


加えて、1998 年の巨大エルニーニョを取り上げて、あの年の平均気温を越えるものが観測されていないことをもって、この 11 年、地球は温暖化していない、と言っているところが特徴か。あのどでかいエルニーニョによって記録された高温を比較対象にするのは???である。この著者は天然なのか、それとも何らかの意図を持っているのか…。finalvent さんの見立てとしては、意図がある、ということなのだろうが。


あと、個人的には、BBC がこれまで懐疑論的な記事を出していなかった、という事実に驚いた。本当か?


さて、finalvent さんが着目しているポイントは、BBCはじめてとりあげた、というところだろう。


懐疑論記事はそこそこの頻度でマスメディアに登場している。だから、私自身はこの記事を見ても何とも思わない。たとえば、今年の二月頃、日経が PDO の記事を書いていて、池田信夫さんをはじめ何人かが取り上げていて、なかなか楽しかった。


地球は寒冷化している
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/c1120e71b9c5fc04ffe43ea7ac61fa46


私としては、この手の記事の一本一本に反応する人の感覚はよくわからない。地球温暖化と一見矛盾する事実なんて、そこかしこにあるわけだし、論文になって出てきたり、プレス発表になったりもしているわけで、それがマスメディアで報じられても、それが何か?と思ってしまう。


しかしながら、もちろん、そんじょそこらのマスメディア(たとえば日経)と BBC では格が違う。もし BBC が本当にはじめて懐疑論を掲載したのなら、finalvent さんの言うとおり、国際ジャーナリズム的な転機なのだろう。


今後も注視して行きたい。


というより、最近、なんか懐疑論がつまらない。日本だけの現象か?BBC の記事は、


One thing is for sure. It seems the debate about what is causing global warming is far from over. Indeed some would say it is hotting up.


と結んであった。日本の懐疑論シーンももっと "hotting up" してほしいものである。