日本沈没を見ています。
映画館で見なかったんですよねぇ。テレビでやっているのを見ています。あ、いま、草磲君がしんかい 2000 (映画ではわだつみ 2000) に乗って近くに爆弾を仕掛けに行くところです。
まあ、映画がおもしろいと思ったかおもしろくないと思ったかはともかく、感じたことを。
地球科学って、どうしてもタイムスケールが人間と合わないんですよね。火山がぼこぼこ噴火して日本が一年で沈むなんてまああり得ません。掘削船を世界中から集めてきて地殻を破壊するなんて言うのも無理でしょう。すくなくとも人の一生ぐらいのタイムスケールでは。
以前、「デイ・アフタートゥモロー」という映画がありました。これ、高緯度に淡水が注入されて海流が変化して、氷河期が訪れ、地球が急速に氷に閉ざされるという、一応科学的に根拠がないでもないと言えないこともないかも知れないような気がしないこともないとは言えなかろうっていった感じのストーリーではあるのですが、やっぱり決定的にタイムスケールがあわない。
科学に忠実に映画を作ると、こんな感じの会話になっちゃいそうですね。
「テリー、氷床が崩壊して、海流を変えそうだ。氷河期がやってくるぞ」
「なに、ジャック、それは大変だ。お前のところの baby に出来た子供のさらにそのまた子供が成人する頃、まずいことになる。何とかしなくては。」
…。全然ドラマになりませんね。
映画って、どうしてもモチーフを人間ドラマに落とし込む必要があるので、科学的に忠実にしようとすると大変間延びしてしまいます。地球科学でリアルかつ売れる感動大作を作るのは、まあとても難しい。天才的な脚本家の出現が待たれます。
もっとありそうな会話はこうでしょうか?
「テリー、大変なことになった。氷床が崩壊して、海流を変えて、一年後には氷河期がやってくるぞ。」
「なに、ジャック、それは大変だ。プログラムのバグを探そう。」
そして、ふたりは今年度確保したスパコンの計算時間がほとんど残っていないことに気づいて、結果的に無駄遣いとなってしまった予算額が頭をよぎり…
…。結構スリリングなシチュエーションですね。いえ、大ヒットするようなことはないと思いますが。