最近、読売新聞が飛ばして
いますね。先日も、このような社説を書かれていました。
地球温暖化 科学的な根拠の検証が急務だ(5月4日付・読売社説)
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20100503-OYT1T00811.htm
ウェブ魚拓
http://megalodon.jp/2010-0505-1511-04/www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20100503-OYT1T00811.htm
いやはや、なんとも IPCC が不正の巣窟だと言わんばかりです。ちょっと見ていきましょう。
地球温暖化の科学的な信頼性が揺らぐ中、日本の科学者を代表する日本学術会議が初めて、この問題を公開の場で論議する会合を開いた。
まあ、「信頼が揺らいでいる」のは感受性の問題がありますが、読売がそう感じているのは間違いないでしょうね。
だが、会合では、専門家がそれぞれ自説を述べるだけで学術会議の見解は示されなかった。このまま終わらせてはならない。
読売の並々ならぬ決意が感じられます。そして、IPCC AR4 に根拠の怪しい記述が見つかったことを述べて、
報告書の作成には、日本人研究者も多数関与している。
なんか、日本人研究者も悪に荷担したみたいな書き方 www
欧米では問題が表面化して温暖化の科学予測に不信が広がり、対策を巡る議論も停滞している。
この点、ぜひ、きっちりと調べて報告していただきたいものです。
欧米では、危機感を煽るのではなく、率直に論議する動きが出ている。この10年、温室効果ガスは増える一方なのに気温は上がっていない矛盾を、温暖化問題で主導的な英国の研究者が公的に認めたのはその例だ。参考にしたい。
で、社説の最後にこれ。全てを台無しにする記述ですよね。reference がないので定かではないですが、最近話題になった Phil Jones の発言かと思われます。以前、このブログでも取り上げたことが。
Phil Jones の発言について気になっていたので、
http://d.hatena.ne.jp/onkimo/20100320/1269048881
Phil Jones は「温暖化問題で主導的な英国の研究者」で、確かに「この10年、温室効果ガスは増える一方なのに気温は上がっていない」を認めた、と書くのは完全な嘘ではありません。でも、大変に問題のある書き方です。ということを以前の記事に書いています。
そして、「この10年、温室効果ガスは増える一方なのに気温は上がっていない」ことの「矛盾」は認めたのか?ここまで書くと、さすがに悪質なデマとみなしたくなります。
本当のところは、ぷるぷるBさんのこちらから始まる一連の記事をどうぞ。
ジョーンズ教授は何と言ったか? -- とりあえず気候変動についてとか?
http://ondankaetc.blog28.fc2.com/blog-entry-3.html
最近の読売新聞はちょっとひどいですね。以下の科学者達が書いた記事を読んでみてください。
気象庁海洋気象観測船CO2濃度測定装置不具合の報道 -- 海洋学研究者の日常
http://blogs.dion.ne.jp/hiroichiblg/archives/9334247.html
読売新聞社説「地球温暖化 不信を広げる研究者の姿勢」について -- 気候変動・千夜一話
http://blog.livedoor.jp/climatescientists/archives/1120733.html
まあ、でもいいでしょう。科学的に意味のない懐疑論に走るのも、それはそれで一つの判断です。
再度の読売社説からの引用ですが、
だが、会合では、専門家がそれぞれ自説を述べるだけで学術会議の見解は示されなかった。このまま終わらせてはならない。
このままで終わらせてはならない。読売新聞の、特に科学部の本気を見せていただきたいと思います。<追記>
コメントをいただいた mushi さんもこの社説をとりあげた記事を書かれています。
読売新聞社説 -- さまようブログ
http://ameblo.jp/mushimushi9/entry-10526492234.html
また、masudako さんも書かれています。
読売新聞社説「地球温暖化 科学的な根拠の検証が急務だ」について -- 気候変動・千夜一話
http://blog.livedoor.jp/climatescientists/archives/1165970.html
私の記事で書けていないことが書かれているので、どうぞお読みください。