最近、CGM という言葉を

よく目にします。前から気になっていた言葉なのですが、最近やっと意味を知りました。Consumer Generated Media の略で、従来は情報のもらい手だった消費者が逆に情報の発信者となり、そして、その消費者が発した情報をまとめ上げたサイトが、CGM と呼ばれるそうです。


私の説明よりも、wikipedia:Consumer Generated Media をご覧ください。


この言葉が気になっていた理由は、気候学で使う GCM と似ていたからです。よく見間違えます。ええ、英語が苦手なものですから。


ちなみに、GCM とは general circulation model の略で、(地球全体の)大気や海洋の流れをできるだけ精密に再現しようとするコンピュータプログラムのことです。地球温暖化の研究に使われています。


これも、私の説明よりもwikipedia:全球気候モデルをご覧ください。


で、ほんとどうでも良い記事なんですが、さらに蛇足を。


GCM で CGM みたいなことになったらおもしろいなとおもっています。というのも、いまの PC は 15 年前のスパコンよりも早かったり、メモリもディスクも大きかったりします。


だから、1990 年初頭、IPCC が活動をはじめた頃に動いていた GCM なんか、PC でサクサク走っちゃうはず。やったことないのでよくわかりませんが。


もちろん、GCM を扱うには専門知識が必要です。実験設定をして、モデルを走らせ、結果を解釈して研究成果として公表するのは、生半可な知識では不可能です。


でも、モデル結果を見て楽しむ分にはそこまでの知識はいらないんだよね〜。純粋に「おもしろい」ですし、非専門家にとって、知らなかったことがいっぱい出てくるはずです。ええ、ジェット気流は中緯度に存在しているとか、海の西側に強い流れの海流があるとか、そんな地球物理学的な常識がわかるはず。


その上で、みんなでいろんな"地球"を作ってコンピュータの中で再現したらおもしろそう。地形をいじるのが取っつきやすいかな。全部陸にしてみたり、海にしてみたり。実際の研究でも、チベットやヒマラヤを削ってみたり、パナマ地峡を海にしてみたり、といった研究は行われているんですよ。日本海を埋めたら日本の気候がどうなるか、東に移動させたらどうなるかとかもおもしろいかも。まあ、PC で動くような GCM だと解像度がたりないからちょっとつらいかもしれませんが。


と、そんなことを思っていたら、既にこんなことを考えている人はいたようで…。だいぶん昔の Nature 記事です。


Do-it-yourself climate prediction -- Nature
http://climateprediction.net/science/pubs/nature_allen_141099.pdf


本当のところ、既に公開されているモデルもあると思いますが、難しいのはユーザーインターフェースです。アマチュアでもわかるような UI を作るのは大変。モデルもすぐにぶっとんだりしますし、経験がないと扱いづらいはず。


あと、懐疑論者達がモデルを使って「ほら、やっぱり温暖化なんかしないじゃん」みたいなことを言いそうな気はしますね。だからモデルを開発しているところも乗り気じゃないんだろうな〜。<追記>

climateprediction.net のことを忘れていました。そもそも、先にあげた Nature 論文もここから引っ張ってきたのですが。

climateprediction.net
http://climateprediction.net/


これは、世界中のコンピュータの空き時間に気候モデルを走らせて研究しましょう、というプロジェクトです。同様のプロジェクトとしては、地球外生命体探査のプログラム (SETI@home) が有名かな?それと同じ分散コンピューティングプラットフォームを利用しています。


私が上で書いたこととは方向性が違うのですが、紹介しておきます。