経済学に似たところが

気候学にはあると思われているのかな、と感じています。


どちらも複雑なシステムを扱っていて、データが膨大にあってしかもそれで対象全体をカバーできているわけではなくて、みたいな。


個人的には、似ている点はあるけど、でも、自然を相手にするのと人間の集合体を相手にするのはだいぶ違うよ、と思います。


で、なんでこんなことを思ったかというと、経済学の方が温暖化の予測に関していろいろコメントされてるんですよねぇ。あんなの当たるわけ無い、と。


たとえば、いつもお元気、池田信夫さん


地球を冷やす安価な方法 -- 池田信夫 blog
http://ikedanobuo.livedoor.biz/archives/51303508.html


内容自体はよくある、地球を改造して温暖化防止した方が CO2 排出をコントロールするより安上がりだ論、なんですが、最後のところにこんなことが書いてあります。


計量経済学の専門家(クラークメダル受賞者)であるLevittもいうように、地球のような巨大で複雑な生態系のシミュレーションは、経済学者にとっては気の遠くなるほど困難な仕事で、その結論は不正確にならざるをえない。それに比べれば金融工学のシミュレーションのほうがはるかに信頼度が高いが、それがどういう結果になったかを見れば、IPCCのシミュレーションなんて占いのようなものだと思っておいたほうが安全だ。


Levitt さん、本当はなんて言ったのでしょうかね。池田さんの言うことは眉につばをつけて聞く必要があるので…


金融工学のシミュレーションがどんなものか知りませんが、どういう結果になったかは知っています。一方で、IPCC のシミュレーション (正確には IPCC がレポートで取り上げたシミュレーション) ではどんなことがなされているのかは知っていますが、その結果は、占いよりはだいぶましです。その辺のことは今後「温暖化の気持ち」の方で取り上げようと思っています。


まあ、とにかく。この記事で言いたかったことは、経済学の方はけっこう気安く気候学を批評されているな、ということです。十分に調べてのことなら納得なのですが、そうではないみたいなので。


温暖化予測が経済に強く関わっているので、口を出したくなるのは当然といえば当然ですが、そのほかにも、同じように複雑なシステムを扱っている、という変な仲間意識みたいなのがありそうです。


いえ、経済学者の全てがそうだと言っているわけではありませんが。あと、池田さんが経済学者の典型だとも思いませんが。