なんかちょっと居心地悪い

気がします。スパコン事業仕分けに関して。


仕分け人への大バッシングが起きていて、私もそれに乗っかってはいるのですが、それでもここまでみんながみんなスパコン推進側の肩を持つ必要があるのかな?


必要なプロジェクトではあるのだけれど、それが順調に遂行されているとは言えない状況で、「一度立ち止まって戦略を練り直すべきだ」という指摘には、きちんと真正面から答えを出すべきなのではないでしょうか。立ち止まるなり、立ち止まれないならその理由を説明するなり。


もちろん、「1位でなければ駄目なのか」 (これは蓮舫さんの発言なのかな?)のような、あまりにも不見識な発言は、批判されて当然。


一方で、最終的に 1000 億円の巨費が投じられるプロジェクトです。私の印象としては、現在、プロジェクトがちょっと困った状況にあるのですが、その点を指摘している妥当なコメントには、誠実に対応する必要があるはずです。


ウェブを見ていると、事業仕分けの結論だけを見て批判している人が多いように思えます。ぜひ、評価結果に出てきた各コメント程度は目を通して語ってもらいたい。


スパコン評価結果
http://www.cao.go.jp/sasshin/oshirase/h-kekka/pdf/nov13kekka/3-17.pdf


私が一番恐れているのは、1000 億かけてたいしたことのないマシンができあがる、ということです。そして、私も含めた科学技術に関わる人間が、それを強引に推進した、とされてしまうこと。


世界の最先端のことに挑戦しようとしているのです。金かけたら良いのができあがる、なんてことはなくて、最高の努力をしても世界を納得させられる成果が出せるかは五分五分だとおもいます。


今、最高の努力をしているのか?個々人が最高の努力をしたとして、それが有機的に結びついてすばらしい結果につながるのか?1000 億円のお金ととても有能な人たちの努力を無駄にすることはないのか?1000 億円のお金を無駄にしたら、その先、日本のHPC (High Performance Computing) は存在できるのか?


プロジェクトをこのまま進めたら、打ち切られることよりはるかに悪い未来が待っているのではないか?


推進側も、腹をくくって対応する必要があると思います、私も含めて。


って、京速計算機に関わっていないので、私は何もできないわけですが。

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これまでに書いた次世代スパコン仕分け関係の記事
http://d.hatena.ne.jp/onkimo/20091113/1258084780
http://d.hatena.ne.jp/onkimo/20091116/1258297405
http://d.hatena.ne.jp/onkimo/20091116/1258345793