海の研究者さんのところで

テルテルさんという高校生の方が MANTA さんと議論している。いい感じですね。


http://goto33.blog.so-net.ne.jp/2009-06-07


ただ、テルテルさんにちゃんと理解してもらうのはかなり難しいと思う。いくつか論点があるのだけど、ここでは一つだけ。


文面から垣間見えるのは、テルテルさんはデータの中から長期的傾向と短期的傾向がすぱっと分かれて得られる、と思っていること。ちょうど、鋭利な包丁ですぱっと切られた、スーパーでラップをかけて売っている半玉のスイカみたいに。


でも、本当はそんなことはなくて、長期と短期にまっぷたつ、なんてすっきりと分けられるものではない。それは棒を振り下ろしてたたき割ったスイカ割りのスイカのようで、断面はぐちゃぐちゃで、破片や汁が飛び散っていて、いったい何個に分かれたのか、ということさえ言うのは難しい。


高校生だと、受験に出てくるようなきれいなものしか見たことがないはず。一方で、温暖化問題に出てくるのはぐっちゃぐちゃの結果。


この混沌の中から情報を引き出すのが地球科学で、そのツールがたとえばスペクトル解析。ツールはけっして鋭利な包丁ではなく、スイカ割りの棒みたいな野蛮な道具。そのへんの塩梅がテルテルさんにはわかってもらえなさそうな気がする。たぶん、理解するには、頭の良さではなく、人生経験が必要。


それよりも槌田さんや近藤邦明さんの言うことの方が心にすーっと入ってくるんだろうなぁ。そして、高校生の高慢さで、MANTA さんみたいな一流大学の教員を心の中で無能だとばっさりと切り捨ててしまうこともあり得る。


だけど、若さっていいな、と思う。そして、MANTA さんのような人に普通の高三(テルテルさん自身は自分を普通ではないと考えていると思うが)がきちんと相手してもらえてることができるなんて、いい時代になった物だとおもう。なお、この最後のパラグラフには皮肉は一切入っていない。また、「高校生の高慢さ」という言葉にも、複雑な感情を込めつつも悪意だけは入っていない。今になってみると、この時期の高慢は、すべての高校生に与えられた特権だと思う。


と思いつつ見ていたら、テルテルさんが話を切り上げたようで…。

スペクトル解析によって、それぞれの成分を比較して、因果関係を調べるべきとしているのですね。

みたいな言い方、スペクトル解析は別に本質ではないのにこのような形で MANTAさんに「調べるべきとしているのですね」と解答を迫るのは、やはり若さ故の性急さなのでしょうね。まあ、なにか含むものがあるのかも知れないけれど。


で、二枚舌ってなんだろ???